医療広告ガイドライン改正について

当社の対応方針 医療広告ガイドラインの改正について

2018/11/01

  • webトレンド

医療広告ガイドラインの改正について


2018年6月1日より、改定された「医療広告ガイドライン」が施行され始めました。この改定により、今までは「広報」として扱われていた病院や歯科医院などの医療機関のWebサイトが、今後はすべて「広告」として扱われることとなります。

これは、医療や歯科医療に関わるすべての病院や歯科医院にとって大きな影響をもたらすことになります。改定による規制強化により、違反した場合の罰則も設けられています。また、「ネットパトロール」が発足し、監視の目も強化されます。

今後、医療機関のWebサイトの制作や運用、情報発信などは慎重な対応が求められます。株式会社フリーセルの対応方針と併せてお知らせします。

Q:なぜ、Webサイトが広告として扱われるの?

A:消費者トラブルの増加が背景にあります

「医療法」という法律をご存知でしょうか? 医療行為は人の生命や健康に大きく影響を及ぼす行為なので、その内容を広告することを医療法では厳格に規制しています。テレビやラジオのコマーシャル、雑誌や新聞などの広告記事、看板やチラシ、バナーやリスティング広告など、広告表現がウソや大げさになっていないか厳しく監視されています(監視は各自治体が行っています)。

現在では、医療機関においてもWebサイトを媒介とした集客・集患や、情報発信が主流となっていることもあり、病院や歯科医院を選ぶ際のポイントとしてWebサイトの情報を重視する消費者が増えています。しかし、残念なことに一部の医療機関のWebサイトが原因となり、消費者トラブルが発生するケースが増加傾向にあります(厚生労働省では、以前よりWebサイトが広告規制の抜け道になっていると問題視していたようです)。

2017年6月に医療法が改定される前までは、Webサイトは「広告」ではなく「広報」として扱われていたおかげで、比較的自度の高い情報発信ができていました。しかし、この改定を受けてWebサイトも「広告」として扱われることとなり、規制強化の道をたどることとなり2018年6月1日より適用され始めました。

おさらい

・医療機関のWebサイトも広告として扱われる

・情報発信できる内容が大きく制限される

Q:これからはどんな表現がNGになるの?

A:「患者様の体験談」「ビフォー・アフター写真」など、表現が大きく規制されます

それでは、具体的にどんな表現がNGとなるのでしょうか? 消費者や患者に対して、間違った医療行為や治療の認識を与える表現が規制されます。つまり、「虚偽」「誇大広告」に該当する内容は全面的にNGとなります。

具体例①:患者様の体験談

医療機関のWebサイトでは頻繁に掲載されている患者様の体験談ですが、これは「患者その他の者の主観又は伝聞に基づく体験談を広告をしてはならないこと」という理由でNGとなります。患者様の体験談はあくまで、患者個人の主観に基づく意見です。他の患者にとっては、誤認を与えることにつながりかねないので、体験談であろうと患者の主観的な意見を掲載されることはできません

※ただし、SNSなどを通じて体験談などを個人的に公表することは規制対象から外れますが、利害関係のない患者に限られます。

具体例②:ビフォー・アフター写真

治療前後のビフォー・アフター写真も頻繁に掲載されていますが、こちらも「治療等の内容又は効果について、患者等を誤認させるおそれがある治療等の前又は後の写真等を広告をしてはならないこと」という理由でNGとなります。また、写真だけでなくイラストも規制の対象となります。

ただし、「治療内容、費用、治療にかかる主なリスクなどの詳細な情報を添えれば広告できる」とも規定されているので、単にビフォー・アフター写真を掲載するだけではNGですが、「治療(施術)内容」「費用」「リスク・デメリット」なども併記することで掲載は可能となります。

具体例③:虚偽・誇大、比較優良に関わる内容や表現

「“誇大な広告”とは、必ずしも虚偽ではないが、施設の規模、人員配置、提供する医療の内容等について、事実を不当に誇張して表現していたり、人を誤認させる広告を意味するものであり、医療に関する広告としては認められないものであること」という規定から、誇大広告と判断される内容や表現は掲載できません。根拠がないのに、「リピート率100%」「99%の患者様が満足されています」などと表現することは誇大広告となります。

実際に誇大広告の内容や表現によって患者が誤認し不利益を受けた事実がなくても、誤認する恐れがあるものは規制の罰則や是正命令の対象となる可能があります。虚偽と判断された場合、誇大広告よりもさらに厳しい対応が実施されます。

また、「日本有数の症例数」「地域ナンバーワン」「有名タレントが通っている」「著名人●●が選んだ」など、たとえ事実であろうとも自らの優位性を煽る表現や内容は「比較優良広告」とされ禁止されます。

おさらい

・患者様の体験談はNG(ただし、利害関係のない者がSNSなどで個人的に発信することは規制対象外)

・ビフォー・アフター写真(イラスト含む)はNG(ただし、治療内容・費用・リスクなども併記すれば限定的に規制が解除される)

・「虚偽、誇大広告」「比較優良」に関わる内容や表現はNG

Q:規制強化によって、必要な情報が得られなくなるのでは?

A:「限定解除」で医療機関と消費者・患者のバランスをとります

消費者や患者を誤った情報から守ることが医療法改定の目的ですが、あまりにも規制が厳しくなることで「消費者や患者が知りたい情報を得られなくなるのでは?」という指摘もあります。そこで、医療機関と消費者・患者双方のバランスを図るために、医療広告ガイドラインでは「条件に合致した広告物」に限り広告規制を限定解除する旨が記載されています。

■広告可能事項の限定解除の具体的な要件(全てを満たす必要がある)

①:適切な医療情報で、しかも患者等が自ら求めて入手しにいく情報。具体的にはウェブサイトや院内パンフレットのようなもの

②:広告を見た患者が簡単に問い合わせできるように、連絡先を明記したもの

③:自由診療については、必要な治療内容、費用等に関する事項を明記したもの

④:自由診療については、治療の主なリスク、副作用等に関する事項を明記したもの

上記の条件をすべて満たしている広告に限り、限定的に規制が解除されます。特に重要となるのが①「適切な医療情報で、しかも患者等が自ら求めて入手しにいく情報」です。具体的には、消費者や患者が自らの意志によって手に入れるパンフレットやリーフレット、チラシ、そして自らが検索して情報にたどり着くwebサイトが該当します。

つまり、「消費者や患者の自由意思によって情報を入手する広告」であって、「簡単に問い合わせができるようになっている」「治療内容、費用などの情報が明記されている」「治療の主なリスク、副作用などが明記されている」などの条件をすべて満たすときには広告規制の一部が限定的に解除されます。

反対に上記の条件を満たさない広告とは、「医療機関側からの発信によって消費者や患者の目に触れる広告」を意味します。具体的には、テレビやラジオのコマーシャル、雑誌や新聞などの広告記事、看板やチラシ、バナーやリスティング広告などが該当します。

おさらい

・条件すべてをクリアした広告は、限定的に広告規制が解除される

・条件はすべて満たさなくてはいけない

Q:自由診療ってどうなるの?

A:限定解除の③④がポイントになります

審美歯科やインプラント治療など、保険適用外の自由診療に関しては限定解除の③④がポイントとなります。自由診療をWebサイト上で記載する場合には、③④について詳細に記載する必要があります。

③:自由診療については、必要な治療内容、費用等に関する事項を明記したもの

病院でのニンニク注射や、歯科医院での審美歯科、インプラント治療など、自由診療は医療機関によって治療内容や施術内容に違いがあります。消費者や患者にとって、治療内容や施術内容が分かりにくいデメリットがあります。

そこで自由診療を掲載する場合には、自由診療である旨を宣言してうえで、具体的な治療内容や施術内容、費用や治療期間を併せて明記する必要があります。

④:自由診療については、治療の主なリスク、副作用等に関する事項を明記したもの

「当院の審美歯科によって、白くてきれいな歯になる」など、自由診療ではメリットのみが記載されがちです。しかし、自由診療にも必ずデメリットやリスク、副作用が存在します。そこで、それらの医療機関にとっては不利益な情報も明記して、消費者や患者を保護することが求められます。

また、②「広告を見た患者が簡単に問い合わせできるように、連絡先を明記」も厳守する必要があります。

そしてこれらの情報は、「見やすくて分かりやすく」掲載することが求められています。極端に小さな文字や認識しくいレイアウト、デザインは避けるようにしましょう。

おさらい

・自由診療について掲載する場合は、限定解除の③④を厳守する

・問い合わせ先も必ず明記する

・見やすくて分かりやすいように明記する

Q:フリーセルではどんな対応を考えているの?

A:医療広告ガイドラインを厳守した対応を行います

当社では、医療広告ガイドラインを厳守したwebサイト制作を行っています。また、歯科医院様のwebサイトを2,000件以上制作した実績があるので、ノウハウが蓄積されています。社内勉強会や事例の共有会を行っており、スタッフ全員が医療広告ガイドラインに対する理解に努めています。

しかしながら、医療広告ガイドラインが施行されたばかりで行政の対応方針も不透明な状態です。また、自治体ごとに医療広告ガイドラインの判断が分かれます。

当社としては、医療広告ガイドラインに基づいた最善の対応を行うことをお約束します。医療広告ガイドラインに反した表現や内容がある場合、当社までご連絡ください。また、万が一自治体や消費者センターから是正命令があった場合も、当社まで速やかにご連絡ください。早急に対応させていただくことで、罰則に至る事態は避けることができます。

※こちらに記載されている内容は、2018年6月21日現在の情報に基づいています。

・医療広告ガイドライン
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000206548.pdf

・各都道府県、保健所設置市及び特別区における医療に関する広告の窓口一覧
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000141143.pdf

・医療機関ネットパトロール
http://iryoukoukoku-patroll.com/

書いた人

澤田 祐介 ()

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