歯科タウン倶楽部通信

ハード(設備)よりソフト(基本に忠実な歯科治療)が大事です

今回は東京都杉並区から千葉県松戸市に移転した、Tデンタルオフィス様にインタビューを敢行!
移転時にありがちな失敗、新天地での集患のコツをお聞きしました!

以前私は東京の杉並区で開業していたのですが、諸事情により千葉の松戸に移転することになりました。初めての移転。しかも県をまたいでの移転。今までの患者さんは離れていってしまうだろう。向こうでどんな集患をすればいいんだろうか。そんな不安でいっぱいでした。

当院の診療方針は、海外で認められている基本に忠実な歯科治療。噛み合わせを重視し、印象採得はすべて私が行う、保険治療にも自費治療同様に時間をかける、歯を削る量は機能的に問題ない範囲に抑えるなど、患者さんのための治療を徹底していました。

しかし移転するにあたり、診療方針も見直したほうがいいのかもしれないと思いだしました。

私の心の中の悪魔がこう囁きます。
「自費治療メインでまず経営を安定させたほうがいい」
「最新の設備を導入して金の取れる診療に切り替えるんだ」

一方、天使はこう言いました。
「今の診療方針で患者さんに喜んでもらってきたじゃないか」
「患者さんのための治療に誇りを持ってやってきたじゃないか」

私の中の悪魔と天使が葛藤し、悪魔の誘惑に負けそうになった瞬間、ある言葉が私の頭をよぎりました。

「ハード(設備)よりソフト(基本に忠実な歯科治療)をしなさい」

そうだった……。私は恩師の言葉を思い出し、目が覚めたのです。
そして、今までの診療方針は曲げないと固く心に誓ったのでした。

移転して――。やはり開業当初の来院数は多くありませんでした。そして儲からなかったので最新設備も買えませんでした。しかし杉並時代の患者さんの中には、はるばる来てくれる方がいらっしゃいました。そしてこれまでの基本に忠実な診療方針で経営していくと、自然と松戸の方の来院数も増えてきたのです。

松戸に移転開業してから4年になりますが今も変わらずソフト(基本に忠実な歯科治療)を大事にした診療方針で続けることができています。言わずもがな、これが私の移転における集患の秘訣です。

今の時代、特に都心ではどうしてもハード(設備)にこだわりがち。技術がないからハードで補うような医院も少なくありません。ですが、医療として大事なことはソフトではないでしょうか。 基本に忠実な治療は患者さんには伝わりにくい部分です。しかし何度か通院していただくうちに、歯の寿命が長くなったり不具合が起こりにくくなったりすることにつながり、いつか必ずその診療方針の良さに気づいてもらえるのです。ソフトを大事にしなければいくらハードが良くても、患者さんはハッピーにはなれないと思うのです。

これから移転をお考えの先生、新規開業を検討されている先生、ソフトを大切にした歯科診療をしていきましょう。

(インタビューアー:石井)