現在、歯科医院は全国に約64,000軒あると言われています。これは、コンビニエンスストアをも超える数字です。ご自身の医院があるエリアでも、複数の歯科医院が開業している……という方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。そんな中、患者さんは「腕のいい歯医者さんはどこかしら?」「自分の希望を聞いてくれる歯科医院はあるかしら?」と、どんな歯医者さんを選んだらいいのか、実は判断しかねているのです。
歯科医院がオフィシャルホームページを持つことが当たり前となった今、目に留まる優れたデザインやキャッチコピーはそこかしこにあふれています。つまり、パッと見ただけでは差別化が難しいということです。そんな中でも、わざわざ自院を選んでいただくには、「特定の何か」を発信する必要があるのです。
人が、ものごとを一時的に記憶できる量は、7つ前後とされています。これは、その人が、なんとなく意識している……という状態であり、それよりも強い印象を与えなければ、長い記憶として残すことはできません。さらに、記憶された後も1ヶ月で8割程度忘れられるというハードルがあります。より長く貴院のことを覚えていてもらうためには、繰り返して根気強く伝えていくことが重要です。
ご近所にいくつもある歯科医院の中から「ここに来たい!」と選ばれたいなら、その医院「らしさ」を伝えることが重要です。ここで言う「らしさ」を形づくるのが、「ブランディング」です。
医院名 | 医院カラー | ロゴ | 想い/理念 |
キャッチコピー | 院長 | スタッフ | 病院 |
立地 | 設備 | 治療内容 | 診療価格 |
治療技術 | ユニフォーム | etc…… |
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企業と同じように、歯科医院にも「ブランド」が大切です。ブランドは上記のような様々な要素によって構成されますが、医院らしさを打ち出すには「何を一番伝えたいか」を決めることがもっとも重要です。そして、それを見た人に記憶してもらえるようにするのが、ブランドコンサルです。
歯科スタッフの求人媒体には、常に数万件を超える歯科医院が名を連ねています。自院がもっとも求める人材に応募してもらうには、理念やビジョンを明確に打ち出さなくてはなりません。「らしさ」に共感してもらうことで求職者と医院との距離をより密接なものにし、また自院の考えを事前に理解してもらうことで応募者のズレがなくなり、採用開始直後からスムーズに業務が運ぶようになるのです。
「らしさ」を明確にするメリット
「らしさ」が伝わることで、患者様に生涯のかかりつけ医院として通い続けていただけるだけでなく、取引先との長期的なお付き合いも期待できます。国内において約64,000軒の歯科医院が治療を提供している中、「この医院だから通院している」と言っていただくためにもとても大切なことです。
「らしさ」を明確にするメリット
「らしさ」が共有され、スタッフに浸透することで、院内に組織としての一体感が生まれます。医療機関ではチームワークが重要になりますので、組織力の強化が問われます。また、スタッフ一人ひとりに異なる価値観やビジョンを見つけることができるようになり、それぞれの役割が明確になるのです。
「らしさ」を明確にするメリット
今やメディアを利用した集患方法は、歯科医院にとっても当たり前の時代がやってきました。こちらでは、集患のカギを握る「トリプルメディア」について、また中でも特に要となる「オウンドメディア」についてお伝えしましょう。
トリプルメディアとは、「アーンドメディア(earned media)」「ペイドメディア(paid media)」「オウンドメディア(owned media)」からなる3つのメディアの総称です。
アーンドメディア | SNSやブログなど、口コミを中心としたメディア。ユーザーが発信する情報がメインコンテンツとなり、共感と共有を生むメディアと称されます。 |
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ペイドメディア | テレビや新聞、雑誌、インターネットなど、費用をかけて一時的に広告を掲載するメディア。ターゲットに合わせた広告媒体の選び方が重要です。 |
オウンドメディア | コーポレートサイト、ネットショップ、オフィシャルブログ、メールマガジンなど自社が所有・運営するメディア。 |
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広告費を潤沢に持ち合わせている歯科医院様は、そう多くありません。せっかく広告を出すなら、より少ない予算でいかに効率よく高い投資対効果を得るか(すなわち、どれだけコストパフォーマンスがよいか)が重要であることは明確です。
歯科医院様のような医療機関が中長期的な売り上げを図るには、よりニーズの高いメディアに露出させる必要があります。つまり、「トリプルメディアならどれでもいい」というわけではないのです。
アーンドメディア | ペイドメディア | オウンドメディア |
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費用は抑えられるが、ユーザーの口コミが中心であるため、短期的な対策は困難で、結果が不透明である。 | 媒体数が多く、それだけ競合もたくさん露出しているため、他院へ流れてしまうリスクが高い。また、訴求できるスペースにも制限がある。 | 自社媒体なので、例えばサイトへ訪れた時点、ユーザーのニーズがある程度明確である。医院を認知したユーザーがより詳しい情報を求めていると推測できる。 |
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以上の特徴からわかるように、アーンドメディアやペイドメディアは他社媒体であることから、どのくらい見込み客(患者様)が存在するのかを判断し、自院主導で施策を打つことは非常に難しいと言えます。また、大きな費用を投資した広告を資産として保有することもできません。
その点、オウンドメディアなら、医院が訴求したい情報のみを的確に伝えることができるので、もっとも投資対効果を得やすい媒体と言えるでしょう。完全自社媒体なので、投資した分はそのまま資産として残ります。ここでいう資産とは、アクセスログやお問い合わせ内容など、見込み客を予想する判断材料となるデータです。これらを自ら管理・運用できるのもメリットの一つです。