Vol.1:辞めさせるのもひとつの手段です
- 激白!歯科医院の落とし穴
投稿日:2018/10/04
最終更新日:2019/11/11
投稿日:2018/10/04
最終更新日:2019/11/11
私が開業時に抱えた問題は人事でした。開業当時、私が目指す理想の医院の一要素である「担当衛生士制」に乗り気ではないというスタッフがいました。彼女の言い分としては、担当者を決めることで診療予約が取りづらくなる、シフトを組むのが面倒といったもの。
私は、確かに多少の不便はあることはわかるが、「担当衛生士制」にしなければ本当に患者様のための診療は提供できないと言い続けました。しかし彼女は私の考えに理解を示さず、私の方針に反対しはじめたのです。私はずっと苦悩していました。
でもあるとき、日産自動車の奇跡的なV字回復を実現したカルロス・ゴーン氏の経営が脳裏をよぎったのです。彼は自分の経営ビジョンを実現するために多くの従業員をリストラし日産を再生しました。これにヒントを得た私は「辞めさせる」という苦渋の決断をすることに。縁あって一緒に働いたスタッフを辞めさせるのは心苦しくもありましたが、彼女に歯科医院再生のために辞めてもらうことにしたのです。
影響力のあるスタッフがいなくなり、何人か連鎖的に辞めていくスタッフもいました。また、一部の患者様からは「スタッフがコロコロ変わるねぇ」という苦言も頂戴しました。一時は自分の判断が間違っていたのではないかとも、思いました。でも私は自分の信念を貫いたのです。
医院を去っていくスタッフ、別の医院に乗り換えた患者様。人の入れ替えわりは数ヶ月で落ち着きました。そしてある日、私は医院の変化を実感します。気がづけば、私の周りには信じて付いてきてくれたスタッフ、私の考えを理解してくださった患者のみなさんが残り、もちろん、担当衛生士制も実現していたのです。
自分の考えは伝わっていたんだ!と実感し当院は改めてスタートを切ることができました。
そして、現在開業2年目で医療法人化を実現。あのときの決断があったから、自分の信念を曲げなかったから今の医院があり、今の自分がいるのだと思います。
(インタビューアー:石井)