歯科タウン倶楽部通信

満を持して分院をつくったのに、うまくいかないのはなぜ!?

Nドクターが5年前に開院した歯医者は、地域の人々からの信頼を獲得し、連日たくさんの患者様が訪れています。
Nドクターは「今の医院ではちょっと手狭になってきたな……」と感じており、知人のドクターの勧めもあって分院を開設しようと思いはじめました。

  

そこで、1年前に分院を建てた先輩ドクターから、アドバイスをもらうことに。
ところが思わぬ言葉が返ってきたのです。先輩ドクターは、分院化でどんなトラブルに遭遇したのでしょうか?

Nドクター「本院の調子がよくて、今の場所ではちょっと手狭になってきたんですが、増設ができないので、分院をつくろうと思っているんです。先輩のところはその後、どうですか?」

先輩ドクター「実は分院は、後輩に託していたんだけど独立されちゃってね。経営がうまくいかなくなって、結局、分院はほかの人に譲ってしまったよ。コンセプトも治療メニューも本院とは変えてないんだけどな」

Nドクター「えっ、そうだったんですか……」

先輩ドクター「分院長に辞められてからはしばらく自分で2院を見ていたけど、忙しすぎてなかなか勉強会にも行けなくて。本当に困ったんだ」

Nドクター「確か、場所は本院から離れていましたよね

先輩ドクター「うん。本当は知名度もしっかりある本院の近くがよかったんだけど、なかなかいい場所がなかったからね。医療に携わる者として広範囲の医療貢献ができると思ったから割り切っていたんだけど、やっぱり効率的な経営という意味では近所にするべきだったよ。目も行き届きやすいし

Nドクター「なるほど……」

先輩ドクター「分院を持つとドクター以外の仕事が増えるとは聞いていたけど、思っていた以上だったね。やっぱり治療と経営の両立は楽じゃない」

Nドクター「僕もそんな話を聞いたことがあります。診療か経営かどちらかに専念することも考えておいた方がいいんですかね?」

先輩ドクター「まったくその通りだよ。もし純粋に経営に専念したいと思ったら、いろんな意味で自分の右腕になるようなドクターを見つけて育てるくらいの気持ちが大事だね

Nドクター「ほかに分院を成功させるポイントはありますか?」

先輩ドクター「これはあとで気づいたんだけど、適当なキャッシュフローではダメ!ってことかな。自分では抱えきれなくなったら手放すことも考えて、医院ごとに独立採算制にするのもひとつの手だよ。分院長には、『将来はこの医院をあなたに売ります』って確約できるほどの余裕があれば、逆にうまくいくんじゃないのかな」

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分院を成功させるには、本院以上に緻密に「需要と供給」をしっかり分析すること、あくまでも独立採算制と割り切ること、そして自分の右腕を育てる気持ちが必要だと先輩ドクターは教えてくれました。

昨今の医療技術の進歩により、病気の発症率、再発率が低下してきた歯科業界。患者様にとってはとてもよいことですが、それは同時に受診率の低下も意味しています。それでも年々増え続ける歯科医院。ドクター同士は互いにライバルだと思いがちですが、歯科医療の世界は後続の人材を育てることがとても大切なようです。

(インタビューアー:石井)

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