Vol.22:再初診率アップのカギは歯科衛生士の教育にアリ?

Vol.22:再初診率アップのカギは歯科衛生士の教育にアリ?

  • 激白!歯科医院の落とし穴

投稿日:2018/10/21

最終更新日:2019/11/11

Vol.22:再初診率アップのカギは歯科衛生士の教育にアリ?

「なんで、患者さんが定着しないんだろう……」

うちの医院は商店街のなかにあって立地が良いこともあり、自然と新患を獲得できていたのですが、定着は悪い。治療したらそれで終わり。治るまでのお付き合いではなんだか寂しいですし、患者さんのためにもならないのでどうしたものかと、悩んでいました。

そんなとき、休みの日に2年前に開業したという大学時代の友人と町中でばったりと会い、悩みを打ち明けてみることにしました。

友人「気持ちはわかるよ。俺の医院もやっぱり新患よりも再初診の患者さんを獲得するほうが難しいからさ。カウンセリングで予防の啓蒙をすればいいんだとは思うけど、次の患者さんが待ってるとなかなか時間もとれないしな」

「そうなんだよ。新患さんも大事だから待たせられないし。でも、お前の所は再初診の患者さん増えたんだろ? それは、何をしたの?」

友人「ちょっとずつだけど、増えてきたよ。今までは自分がカウンセリングしてたけど、最近は歯科衛生士にお願いしてるんだよ。そうするようになってから、定着が良くなったかもしれない」

「なるほど、俺はなんでも自分でやらないと気が済まないタイプだから、まったくそんな発想はなかったわ……。明日早速、衛生士に話してこれからは任せてみようかな……」

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私は翌日から歯科衛生士とMTGを行い、予防の大切さや定期検診の必要性、歯の寿命のことなど、自分が患者さんに話していて再初診につながりそうな内容と説明の仕方を落としこみました。

すると、半年後くらいから日に日に再初診率があがり、かかりつけの医院として利用してくれる患者さんが増えたのです。以前なら、10人の新患が来たら2人くらいしか再初診してくれなかったのですが、今は7、8人は来てくれるようになっています。

患者教育ばかりを考えつつも時間がなく、自分では毎回じっくり患者さんと話すことができませんでしたが、歯科衛生士に任せることでしっかり話してもらえてこうも良い変化が生まれるとは思いもしませんでした。

医師が患者を教育するものと思われがちかもしれませんが、歯科衛生士の教育をすれば良かったわけです。

衛生士も患者さんに顔を覚えてもらい頼られることで、責任感やモチベーションがあがったようですし、患者さんの期待に応えようという気持ちが高まったようで、今では私じゃなくてもほとんどの説明をしてもらっています。あとは、女性のほうが話しやすいのかもしれません。

この先生がいるから、行こう。

この衛生士さんがいるから、行きたい。

患者さんからそう思われることって、すごく大事なことかもしれませんね。

(インタビューアー:石井)

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