歯科タウン倶楽部通信

ワンマン経営が招く勤務医の辞職

「じゃあ、元気でな。今までありがとう」
「……」
「はぁ……」

ため息をつきながら、本日付で辞めた勤務医を見送る。
ここ1年で勤務医の入れ替わりが激しく入っては辞めの繰り返し。
こうして何人のドクターが辞めていっただろうか。

同期に聞くかぎり、うちはしっかり給料を出しているし、わからないことだって毎回親身になって教えている。設備投資もしていて質の高い治療に携われる環境だって整えている。

それなのに、なぜ? 何が足りないんだろう……開業以来、同期のなかでは順調に経営していたはずなのにはじめてのピンチを迎え、どうすればいいのか悩んでいました。

と、ちょうどそのときに同期会があるというメールが届き、参加することにしました。

同期「勤務医が辞める原因ねぇ……。いろいろやらせすぎってことはないか? ほら、前にお前さ、俺はマネジメントをちゃんとしてるし、いろいろやらせてるからうまく回ってるって言ってたよな。具体的には何をさせてるんだ?」

「ああ。勤務医にはすべての仕事を知っておいてもらいたいから助手業務や受付を頼むときもある。それくらいかな。お前のとこはしないのか?」

同期「しない、しない! 勤務医だってプライドあるだろうし、受付業務をさせるのは不本意だろ……仕事を押し付けているんじゃないか? 勤務医がお前の考えに共感して納得して仕事ができないから辞めるんんじゃないのか?

「……そういえば、どう思っているのか聞いたことなかったな」

同期「開業当初から勤務しているドクターって残っているのか? もしいるなら、その人は少なくともお前の味方だろうからパートナーとして意見を聞いてみたらどうだ?」

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私は同期からアドバイスをもらい、早速、勤務医に今までのことの反省を伝えるとともにどう思っていたのかを打ち明けてもらいました。

すると、受付業務は納得できないけど我慢してやっていてそれも言えなかったという本音を語ってくれたのです。創業当時で医院が大きくなる前は、みんなで一緒にやっていこうという雰囲気だったのにここ数年で先生は変わられて残念に思っていた、とも……。

嫌だけど従うしかないような状況だったので、来月で辞めようと思っていたとのことでした。文句ひとつ言わずについてきてくれた、右腕のようなドクターが腹の底ではそう思っていたことはとてもショックでしたが、同時に話し合ういい機会となりました。

辞職を考えていた彼を引き止めることができたのも良かったです。そして、歯科助手と受付スタッフを雇い、今ではきちんと分業して勤務医に裁量を与えて治療に専念できる体制を整えました。

松下幸之助の「企業は人なり」という名言がありますが、その言葉をまさに実感し、とても反省しました。

「歯医者も人なり」ということでしょうね。

(インタビューアー:石井)

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