Vol.24:新規ブランドの有効期限

Vol.24:新規ブランドの有効期限

  • 激白!歯科医院の落とし穴

投稿日:2018/10/21

最終更新日:2019/11/11

Vol.24:新規ブランドの有効期限

「半年前は倍の患者さんが来てたんだけどなぁ……」

新規開業から約半年経ち、ふとこうつぶやいていました。
思い返せば、開業から3ヶ月くらいは月間で100人程度の新患が来てくれていたのに、3、4ヶ月した頃から徐々に新患数が減っていき、半年後の今では4、50人くらいに落ち込んでいる……。

最初は順調に集患できていたのに、まさか半年足らずでこんな状況になるとは……。

そんな悩みを抱えていた頃、大学の先輩から忘年会に誘われたのでした。そして、ほどよく酔いが回りはじめた頃、先輩に悩みを打ち明けてみたのです。

先輩「開業当初は集患できていたんだな。じゃあなんで今は落ち込んだと思ってる?」

「それは、開業前にチラシを配布したのと開業時に内覧会をしたからじゃないですかねぇ。だからまたチラシ作ったほうがいいんでしょうか?」

先輩「いや、またチラシを配布しても集患できないかもしれない」

「え、なんでですか?」

先輩「お前、ラーメン好きだったよな? 家の近くにさ、ラーメン屋ができたらとりあえず行ってみるだろ?」

「ああ、そうですね。旨いかどうかわからないですけど、とりあえず行きますね」

先輩「それなんだよ。つまり、『新しい』っていうブランドがあって人が来るってことなんだ。新しいラーメン屋で食べてみて不味かったら二度と行かないだろ?」

「行かないですね……。これってラーメン屋に限らず歯医者にも同じことが言えるってわけですか……」

先輩「そういうことだ。最初は『新しい』ことを武器にしてチラシやホームページで告知すれば、外観がキレイだろうとか良いイメージを持って患者さんは向こうから来てくれる。でも、対応が悪かったり治療が下手だったら、次はない

「どうすればいいんですかね……?」

先輩新患を大事にすることだな。初めて来てくれた患者さんにまた来たいと思ってもらえる工夫をして定着させることが重要だ。どうやるかって?おいおい、それは自分で考えろよ」

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説教まじりのアドバイスでしたが、私はすごく腹落ちしました。

そして、まずは来てくれた患者さんに対してアンケートをお願いし、また、歯科衛生士にも医院の印象や治療後の感想などを聞いてもらいそのなかで喜ばれていた点をピックアップしたのです。

喜ばれていた点としては、

  • 受付の方が親切に質問に答えてくれた
  • カウンセリングが丁寧でわかりやすかった
  • 待ち時間がかかることをわざわざドクターが伝えに来てくれた
  • インプラント治療を考えていたが、先生に入れ歯を提案してもらった

といったものでした。そこで、こうした些細なことの大切さに気づき、勤務医や歯科衛生士、受付などすべてのスタッフに共有。全スタッフで徹底することにしました。

すると、2ヶ月後くらいからじわじわと効果がでたのか、患者さんが継続的に通院してくれるようになり半年後の今では再び開業当時と同じくらいの患者さんが来てくれるようになりました。

一度来てくれれば、次もきっと来てくれる。そんな状態にしてからは、リピート率が高まった気がしています。新しいだけでは厳しい。今では当たり前だと思いますが、できれば、開業前に知りたかったですね。

(インタビューアー:石井)

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