歯科タウン倶楽部通信

あるべき技工士とのクリーンな関係

「ええ……無免許だって?本気で言ってるのか?」

私は思わず興奮してしまいました。大学の同期と電話していたら、無免許で技工物を作製している技工所がいると言うのです。4月に歯科技工士法が改正されたことも気になっていたのであわせてネットで法改正について調べてみることにしました。

すると、やはり色々と変わっていて、「歯科医師は技工士に免許の提示を求めることが望ましい」というような文言も見つけました。わざわざこう書くということは……。

まさかと思いながら、いつも頼んでいる技工士に電話をしてみました。

技工士「免許ですか? 私は持ってますけど、バイトの若い子は持っていないんですよね

Iドクター「……なぜですか?何か理由があるんですか?」

技工士「言い訳になってしまいますけど、歯科技工士免許は国家資格なので取得にお金がかかるし、専門学校での勉強も必要で技工士って人数が少ないんですよ。なので、私としては致し方ないという判断で、免許がない子を雇っているんです……」

Iドクター「そうですか……、やむを得ない事情があるのはよくわかりました」

技工士「無免許でもしっかり指導して仕上がりもチェックしているので、技工物の仕上がりには問題ないと思いますけどね……」

Iドクター「まあそうですけど、ちょっと考えさせてくださいね……」

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後日、同期の友達に相談すると、彼は技工士免許を見て契約したという技工士を紹介してくれました。そしてその技工士は私にこんな話をしてくれたのです。

  • 良い技工物を作るにはお金も時間もかかる
  • 二次委託(外注)がよく行われている

特に二次委託については歯科技工士法で禁じられていて、医師から直接委託されないと技工物を作ってはいけないんだとか。そんな話を聞いて、業界的に暗黙の了解になっているが、歯科医師もコンプライアンスを考えないといけないと思いました。インプラントの医療事故、滅菌の問題など……。ここ数年で歯科界のブラックなニュースが続き、悪い部分が明らかになってきていますから。

歯科医師は命にかかわる治療をあまり行わないため、国からもうるさく言われてこなかったわけですが、無免許で技工物を作っていることが明らかになったら、歯医者の信用がまた落ちてしまうでしょう。

だから、私は変わらないといけない時期に来ていると考えます。患者さんにとっていい歯医者だけが生き残る時代になる。歯科医師として改めて患者様を第一に考えられるかが、問われているのではないでしょうか。

(インタビューアー:石井)

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