歯科タウン倶楽部通信

歯科衛生士が定着する歯科医院の工夫

「辞めさせていただきます」

右手には辞表。歯科衛生士から突然の辞職願い。理由を聞いても歯切れの良い回答は返ってこず。辞職の意思が硬かったので甘んじて受け入れるしかなかった。

そういえば、ここのところ立て続けに人が辞めていく。自分の指導の仕方が悪いのか、コミュニケーションの問題だろうか。考えを巡らしても辞めていく原因がわからないので、同期の友達に相談し、歯科医院のコンサルをしているというフリーランスの歯科衛生士を紹介してもらうことにした。

彼女と会うまで、これほどダメ出しされるとは思わなかった……。同期からは何でも率直に言う人とは聞いていたが……。

衛生士ヒゲを剃ってください。そして美容院にも行きましょう

Aドクター「……はい。わかりました」

衛生士「清潔感がある先生とそうでない先生がいたら、衛生士は絶対に前者に好感を持ちます。女性スタッフは見た目に気を遣っているドクターに付いていきたいと思うものなんです

Aドクター「はぁ……、でもそういうものかもしれないですね。この際なのでどんどんダメ出ししてください」

衛生士「ご理解いただき、ありがとうございます。では先生、衛生士の残業はどのくらいですか?」

Aドクター「毎日1~2時間ですかね。みんなよく働いてくれるんですよ」

衛生士「……毎日残業があるんですか? それは働かせすぎです。ノー残業DAYを作って、プライベートの時間も考慮してあげましょう。残業が当たり前という環境だから、帰りづらい空気があるのかもしれません」

Aドクター「そこまで考えたことなかったですね。早く帰る日を設けようと思います」

衛生士「あとは、スタッフとの交流はありますか? 一緒にご飯へ行ったり、定休日にBBQしたりとか」

Aドクター「昼休憩は別々だし、休日もイベントはしてませんね」

衛生士「そういうのって意外と大事なんですよ。最初は誘う勇気が必要かもしれないですけど、思い切って試してみてください。関係性が良くなりますよ

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いろいろダメ出しされたが、思い当たる所もあったので言われたことを素直に実行してみることにした。

長年蓄えていたヒゲを剃り、美容院で整髪。そして、ノー残業DAYをスタッフごとに設定。スタッフとできるだけランチを一緒にとるようにした。

すると、2週間くらい経ったころにスタッフが以前より私に話しかけてくれるようになったのだ。院内全体で見てもコミュニケーションが活性化し、スタッフの笑顔が増えたような気がした。あれから辞めたスタッフがいないのは気のせいではなく、努力をした結果だと考えている

フリーランスの衛生士に相談してから一年くらい経つ今では毎月BBQや映画鑑賞会などのイベントを開くようになった。仕事だけの関係でなく、プライベートでも関係を持つこと。それが定着する歯科医院の条件なのかもしれない

(インタビューアー:石井)

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