Vol.33:辞めた衛生士に訴えられたドクターの告白

Vol.33:辞めた衛生士に訴えられたドクターの告白

  • 激白!歯科医院の落とし穴

投稿日:2018/10/21

最終更新日:2019/11/11

Vol.33:辞めた衛生士に訴えられたドクターの告白

「まさか訴えられるとは……」

辞めた歯科衛生士に、労働基準監督署に駆け込まれた。開業してこんなことを経験するとはまったく想像もつかなかった。届いた書面には、多額の未払い残業代……。一度に返せるほどの貯蓄もなく、呆然としました。

しかし支払期限も書いてあり頭を抱えている暇もないので、知人の会計士の紹介で社会保険労務士に相談することに。

社労士「安心してください。おそらく全額の返金は避けられます。未払い残業代を計算し直せば示談に持ち込めますから」

Hドクター「本当ですか!よかった……。 7~8割になればなんとか払えそうです……。ちなみに今回の依頼は単発で受けてもらえますか? 顧問契約を結ばないとダメなのかなと思って……」

社労士「今回は単発の依頼でかまいません。そこまで頻繁にご相談いただかないと思いますし。その代わり何か困ったときは相談してくださいね」

Hドクター「それはありがたいです! ただ、今回の残業代の支払いを減額できたとして、また同じようなことになるのは防ぎたいんですが……

社労士「対策として、就業規則を作りましょう。そこに残業代や有休のことを明記しておけば、退職後に揉めることはなくなりますから。口約束ではなく書面に残すことが大事なんですよ」

Hドクター「いざというときに証拠になるってことですね。では、就業規則の作成もお願いします」

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社労士の方に相談した結果、請求額の7割ほどの支払いで済みました。うちは予防歯科に力を入れていますが、就業規則のような法的なトラブル予防には無知でした。患者さんに「予防が重要です」って言っているのに、自分ができていないというのは情けないと思いました。

また、社労士さんは円満退社が大事ともおっしゃっていました。普段からコミュニケーションをとっておくだけでも、訴えられずに済むということでした。

それ以降、ランチをとったり、誕生日にケーキをプレゼントしたり、残業が多いなら減らすための取り組みを一緒に考えたり、コミュニケーションを増やすようになりました。

心を入れ替えてから1年近く経ちますが、最近ではスタッフからご飯に誘われるようにもなりました。訴えられないようにするというと仰々しいですが、交流を増やすだけでも余計なトラブルはなくせるのかもしれません

コミュニケーションをとられていない先生は、よかったら明日から意識してみてください。

 

(インタビューアー:石井)

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