Vol.56:設備投資を支援! ものづくり補助金を知らなきゃ損!
- 激白!歯科医院の落とし穴
投稿日:2018/10/21
最終更新日:2019/11/11
投稿日:2018/10/21
最終更新日:2019/11/11
新しい技術、新しい設備……医療の世界は、常に新しさと正確さを求められ、めまぐるしく進化し続けています。しかし、そう簡単に高価な設備を次から次へと導入できる医院ばかりではありません。
Nドクターはここ数年一生懸命やりくりして、やっとめどがついたので、ついにずっと欲しかったCAD/CAMシステムを導入したばかり。それなのにうまく集客できず、ローンは膨らむ一方。
そこで、自分より早くCAD/CAMを導入していた友人ドクターに不安を打ち明けると、驚くべき事実を耳にしたのでした。
Nドクター「頑張ってやりくりしてやっとCAD/CAMを導入したんだけど、さっぱり(購入金額を)回収できるめどが立たないんだ。これじゃ、買わないほうがよかったかな……」
友人ドクター「CAD/CAMは、自腹で買ったの?」
Nドクター「もちろん、いろいろやりくりして捻出したんだよ。君もそうだったんだろ?」
友人ドクター「いや、僕は違うんだ。歯科医院の設備投資を支援してくれる『ものづくり補助金』っていう制度に申請したんだよ」
Nドクター「なんだって?! それはどんな制度なの?」
友人ドクター「そうか、やっぱり知らなかったのか……。正確には『ものづくり・商業・サービス革新補助金』といって、医療充実のために、革新的な取り組みにチャレンジするという目的があれば、設備投資や新サービス開発なんかを国(中小企業庁)が支援してくれる補助制度なんだ」
Nドクター「歯科医院でも適用されるの?」
友人ドクター「今までは、製造業がメインだったんだけど、2014年から歯科医院も申請できるようになったんだよ。医療法人はダメなんだけどね。
これには事業計画書が必要なんだけど、申請して採択されれば、セレックなんかのCAD/CAMシステムはもちろん、歯科用CTとかレーザーとかの設備投資に最大1,000万円まで支援してもらえるんだ」
Nドクター「1,000万円!?」
友人ドクター「ものづくり補助金の審査に通ったら、設備投資に活用できるだけじゃなくて、新しい事業展開をしたければそのリスクも抑えられる。さらに、医院の信頼度が増して、金融機関からの融資も得やすくなるんだよ」
Nドクター「そんな制度があったんだ……。でも簡単には通らないんだろ?」
友人ドクター「そうだね、一般企業も含めても申請の45%しか採用されないそうなんだ。歯科医院となると、もしかしたらもっと採用率が下がるかもしれないけど……」
Nドクター「狭き門なんだね……。君はどうやってくぐり抜けたの?」
友人ドクター「僕は自分で事業計画を考えて、知り合いの会計士さんに手伝ってもらったんだ。コンサルティング会社に丸投げできるらしいけど、厳しい審査を通過するためには、表面的な事業計画じゃだめなんだ。自分で何をしたいのか、医療をどうしたいのかって、目的をしっかりと掲げないとね」
Nドクター「そうだったのか……。その制度を知っていれば……」
友人ドクター「購入してしまったものには、充てられないけど、次に設備投資なんかをしたいときにはいつでも申請できるよ」
Nドクター「なるほどね、教えてくれてどうもありがとう!」
Nドクターは少しだけ後悔しつつ、早速、顧問のコンサルタントにどんな制度なのか、申請には何をしなくてはいけないのか、自分の医院でもちゃんとサポートしてもらえるのかなど、もっとくわしく聞いてみることにしました。
もちろん、次の機会にしっかりと予習をしておくためです。