Vol.59:資金の融資には、銀行との付き合い方にコツがある?
- 激白!歯科医院の落とし穴
投稿日:2018/10/21
最終更新日:2019/11/11
投稿日:2018/10/21
最終更新日:2019/11/11
開業して3年のUドクターは、もっと自費率を高めるために、様々な設備投資をして医院をリニューアルしたいと考えています。
しかし、Uドクターは先立つものがないのが悩みの種。新規開業時、銀行からの融資が思ったほどの額ではなかったため、今回も資金調達がうまくいかないのではないかと困っています。
そこで、元銀行マンで現在はお金に関するアドバイザーになった幼なじみのAに相談してみることにしました。すると、知られざる銀行のホンネを聞くことができたのです。
Uドクター「3年も経っていろいろと経営も安定してきたから、思い切って医院を全面リニューアルしようと思うんだ」
幼なじみA「具体的にはどうしたいの?」
Uドクター「自費診療をメインにするために、設備投資をしたいんだ。でも、実際問題どのくらい資金が必要かわからないし、自力ではあまり準備ができないから、銀行からの融資を考えているんだけど……。実は、この医院を開業したとき、想定していたよりも随分少ない額しか融資してもらえなくて今回もそうなんじゃないかと思うと、メドが立たなくて……」
幼なじみA「なるほどね。銀行からの融資って、信頼と実績ありきだから、新規開業の場合は、期待したほどの額は得られないかもね。医療施設の中でも歯科医院はとにかくたくさんあって乱立してるっていうイメージを持ってる融資担当者が多いんだ」
Uドクター「そうなんだ……」
幼なじみA「情に訴えてもなかなかね……、銀行はマニュアルがすべてだから。借りてもしっかりと返済できることを印象づけることが大事だよ」
Uドクター「でも、話をしても聞いてもらえるのかな……」
幼なじみA「会話で説得……は、あまり現実的じゃないね。銀行にとって最大のリスクは、不調債権化すること。貸したお金を回収できなくなることなんだ。
医療法人化できていたら、信用度もグッと上がるんだけど、どれだけちゃんとした書類をつくれるかが決め手なのさ。それが融資のための判断材料となるからね」
Uドクター「やっぱりそうなのか……。前回はそこでつまずいちゃったんだな」
幼なじみA「事業計画書と財務諸表は…
をね、しっかりとつくらないと……」
Uドクター「僕には難しいな……」
幼なじみA「今、医院についてる税理士がいるなら、頼んでみたらいいよ。こういうことの専門家だからね。でも、まかせっきりにしちゃダメだよ。特に事業計画書は、キミ自身がどうしたいのか、本当にできるのかどうかってことをしっかり考えたうえで話し合わないと。特に営業利益に関しては、手を抜いちゃいけないよ。ポイントは、営業利益を大きくすることと、自己資本率を高くすることだね」
Uドクター「わかった、話し合ってみるよ」
幼なじみA「それから忘れちゃいけないのが、宣伝費! 設備ばっかり目が行って、せっかく新しい治療を始めても、それを知ってもらえなければ、意味がないからね。宣伝費もワンセットで考えておかないと後悔するよ!」
Uドクター「おお、そのとおりだね。ホームページのリニューアルとか、折り込みチラシとか、大きく改装できたら内覧会をやってもいいかもね! どうもありがとう!」
Uドクターは早速、自院の税理士に連絡を取り、話し合うことに。自分が導入してみたいと思っている治療方法や設備機器について、聞いてもらいました。綿密に相談した結果、事業計画も固まり、希望していた金額でなんとか融資を受けることができたそうです。
おかげで、全面リニューアルにこぎつけ、評判も上々。宣伝にも余念がなかったため、新規集患も増加したそうです。