歯科タウン倶楽部通信

家賃は値下げできる? 意外と知らない適正賃料

「今の賃料、下げられますよ」

そんな軽口を受話口から聞いたのは、今からちょうど1年前。

電話越しの声はやけに親しげで、私はすぐに不信感を抱きました。

「結構です」ガチャッ……

――都心で開業してから2年半が経過していましたが、家賃は当然かかるものと考えていて相場を調べたり適正かどうかを疑ったりすることはありませんでした。しかし電話があった日から、「もしかしたら」という気持ちが拭えず、セラミック歯冠業者の友人Uに、賃料の話を切り出してみました。

「こないださー、家賃が安くなるっていう怪しい電話がかかってきて、まいったよ。 すぐ電話切ったんだけどさ」

U「それ、不動産コンサルの営業じゃないっすかね? 最近多いみたいですよ。……でも、ちなみに家賃はいくらなんですか?」

「52万だけど」

U「えっ……! それは高いと思いますよ」

「どうして分かるの」

U「この辺の歯科医院さんはだいたい僕が紹介してますからね。先生の物件だと平均的な広さだから相場は46~7万ってとこですかね~」

「ええっ!!! そんなに安いのっ!?」

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後日、友人Uのツテを使い、不動産鑑定を紹介してもらうことになりました。不動産鑑定士が話し始めたのは「借地借家法」のことでした。

●『借地借家法第32条(借賃増減請求権)』より抜粋
「建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる――」

不動産鑑定士が言うには、貸主(=大家)さんと賃料交渉をする権利は法的に認められているとのこと。
そして、
「――今の賃料は、下げられます」と断言されたのです。

不動産鑑定士が提示した近隣物件相場は、友人Uが言っていた金額通りの46万円。それが事実ならば、今の家賃とは約6万円の開きがあります。私はすぐに値下げ交渉をせねばと思いました。

そして一度不動産会社に話す内容を整理してもらい大家さんに話をしてみたところ、結果として賃料を47万円まで下げてもらうことに成功。不動産鑑定士には、相談料・鑑定料は成果報酬ということで差額賃料の半年分=約5(万円)×6(ヶ月)=約30万円を支払いました。

毎月の5万円は大きい額ではありませんが、長い目で見ればバカになりません。半年以降は浮いた分のお金を壁紙の張り替えや絵本の購入資金などにあてたり、スタッフの懇親費用に使ったりして、患者様にもスタッフにも喜ばれています。

不動産鑑定士によれば、50万円を超えるような物件の場合、ほとんどが家賃を下げられるケースとのこと。

気になる方は一度、不動産鑑定士に家賃が適正か調べてもらってはいかがでしょうか。

(インタビューアー:石井)