Vol.28:活かせない技術は宝の持ち腐れ
- 激白!歯科医院の落とし穴
投稿日:2018/10/21
最終更新日:2019/11/11
投稿日:2018/10/21
最終更新日:2019/11/11
「高い講習料を払ったのに、まったく役に立っていないじゃないか……」
開業から3年が経過し、歯周病治療の幅を広げるためにFGGに関する歯周外科セミナーを受講したのですが、患者様に提案しても断られてしまう状態でした。投資して専門性の高い治療を勉強しても、現場での臨床に活かす方法がわからなかったのです。
おそらく、患者様としては「手術」は大学病院などで行うもので、歯科とイメージがかけ離れているために敬遠されたのでしょう。歯周外科に対して患者様から同意を得られない日々が続きました。
自分の説明に問題があるのではないか……
押しが強すぎても患者様にも逃げられてしまう……
と考えたこともありましたが、いつかきちんと患者様の同意を得て臨床に活かしたいと思っていました。
ちょうどそんなときに、某メーカー主催のセミナーで懇親会のときにFGGを教わった講師とばったり会ったのです。挨拶も早々に、私は思いきって歯周外科の治療を現場に活かせていないことを相談しました。
講師「実は私も同じ悩みを抱えていたので、今のあなたの気持ちはよくわかります」
Nドクター「先生も悩んだんですか……。一体どうやって乗り越えたんですか?」
講師「ホームページの制作会社の担当者に相談したんです。すると、Webでのエデュケーション(教育)が大事という話になりました。患者様に説明する機会はチェアタイムだけでなく、ホームページも活用できるということでした。具体的には、FGGの説明が不十分と指摘されました。設備や症例実績の自慢は求めていなくて、難しい治療をわかりやすく説明することが大事だとアドバイスをもらったんです」
Nドクター「なるほど、ホームページでの説明を手厚くすれば、来院前に治療内容を理解できるので説明もしやすくなりそうですね!」
講師「事前にある程度理解してもらったうえで、来院してもらえばチェアタイムの密度が濃くなって説明の時間を短縮できますからね」
Nドクター「セミナーのときに教えていただきたかったです……」
講師「そこは、本当に申し訳ありませんでした。今後のセミナーの内容を見直すきっかけになったので、かえってこちらが御礼を言う立場ですね……。ありがとうございました」
懇親会の帰り、さっそく私はホームページ業者に電話し、治療内容の原稿を送り医院のホームページに追記しました。説明内容は単に治療の概要を伝えるだけではなく、歯肉があったほうが手術がしやすいこと、メンテナンスしやすくなることなど患者様にメリットが伝わるような内容を盛り込みました。
すると、ホームページを更新してから1週間くらいして「FGGを受けたい」という患者様も来院されるように!! 以前なら、考えられないことです。
そういった患者様が向こうから来てくれるのでこちらから積極的に提案する必要がなく、スムーズに同意をいただいて治療に入れるようになりました。今では歯周外科だけでなく、ホームページで他の自費治療の説明も追加し、自費率1.5倍に上がりました。技術は身につけるのがゴールではなく、活かしてナンボだと思います。
そのきっかけとなったのが私の場合はWeb上でのエデュケーションだったのです。新技術を使った治療を推進していきたいという先生はホームページの見直しを検討するといいかもしれませんね。