歯科タウン倶楽部通信

歯科医師同士の連携で患者難民を作らない

やっと独立して開業したWドクター。
せっかくなら愛着も土地鑑もあるところがよいと、以前勤務していた歯科医院からほど近い場所を選びました。しかし一向に患者さんが増えません。

土地選びを失敗してしまったのかなと悩んでいたときに、自分と同じように独立後も前の医院の近くで成功している友人のことを思い出しました。

Wドクターと友人ドクター、一体何が違うのでしょうか。

Wドクター「おまえは、どうして前の医院と同じエリアを選んだの?」

友人「一番はやっぱりなじみがあって土地鑑もあるからだよ。独立するときに、お世話になった院長先生に相談して決めたんだ

Wドクター「え? わざわざ近くに開業することを相談したの?」

友人「もちろんだよ。先生も認めてくれて『これからはお互いに切磋琢磨してがんばりましょう』って。おまえ、もしかして……

Wドクター「実は、院長とちょっと考え方が合わなくてね。独立を決めた理由の一つはそれなんだ。しかもそれを話したとたん冷たくされてしまって……。だから、開業したときもあいさつには行かなかった」

友人「そうだったのか……。前の医院の院長先生は、以前から『医療連携』こそあるべき姿だって言って、近くに歯科医院があっても競合とみなさずにお互いに助け合うことで、患者難民を作らないようにしようって考える人なんだ」

Wドクター「なるほどね。その考えはなかったよ。自分たちとは逆だったな。僕もいつの間にか患者さんを取り合うことばかりに気を取られるようになって……

友人「自分の腕に自信があれば、後輩が近いエリアで開業することも、歓迎してくれるはずだよ。そういう先生は不思議と患者さんも減らないんだ

Wドクター「でも歯科医院で“連携”なんて、具体的にはどんなことをしてるの?」

友人“チーム医療”を医院単位で考えてみるといいかな。他には経営面での相談とか、適材適所を考えたスタッフのトレード、自分のところではやっていない治療の必要がある患者さんを紹介するとかね」

Wドクター「つまり、何かで還元しあえる関係ということだね。」

友人「うちは近所の医院だけじゃなくて、大学病院のインプラント専門の友達に月に数回来てもらってるんだ。そうすれば、患者さんも遠くまで行かなくていいしね」

Wドクター「なるほど。最近は、ご近所づきあいも希薄になってるし、他人と関係をわずらわしく思う人が多いけど、やっぱり人と人とのつながりは大切だね

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さっそくWドクターは、前にいた院長先生にあいさつに行ってみることに。
「医療連携」という考え方について提案してみると、Wドクターがいなくなって困っていたという先生に理解してもらうことができました。

 

本来なら、同じエリアで独立すれば、即競合となってしまうため、あまり好まない方もいらっしゃるかもしれませんが「医院を超えたチーム医療」という観点で考えてみると、お互いに助け合うことで、エリアそのものから患者さんを流れさせないということにもつながるようです。

(インタビューアー:石井)

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