Vol.47:理想のスタッフが育たない、すぐに辞めてしまう!どうしたらいい!?
- 激白!歯科医院の落とし穴
投稿日:2018/10/21
最終更新日:2019/11/11
投稿日:2018/10/21
最終更新日:2019/11/11
開業して7年のSドクターには、ある悩みがありました。
それは、スタッフが長続きしないということ。つい先日は、なんと事務長が勤務医を連れて辞めてしまいました。医院は、連日たくさんの患者様にご来院いただいているため、人手不足でてんてこ舞いに。
「またスタッフに裏切られた……」と失意のSドクターは、偶然学会で会った後輩ドクターについ愚痴ってしまいました。すると、ある歯科医院で勤務医として働くこの後輩から意外なアドバイスが……。
Sドクターの医院は、何がいけなかったんでしょうか。
Sドクター「実は最近また、スタッフが3人辞めちゃったんだ。今度は、事務長がドクターを連れて……」
後輩「えっ! 先輩の医院は患者さんも多いから大変じゃないですか」
Sドクター「そうなんだ。裏切られた気持ちでいっぱいだよ。新しくスタッフを採用したいんだけど、また同じことが起こるんじゃないかと思って、どうしたらいいのかわからないんだ。キミのところは離職率はどうなの?」
後輩「僕が入ってから辞めた人はいませんね。うちの医院は、スタッフみんな仕事に前向きで結束力も強いと思いますよ」
Sドクター「何が違うんだろう」
後輩「院長先生をはじめ、全員が同じ方向に向かって診療にあたっている意識が強いんだと思います。ちなみに、先輩のところには『医院理念』がありますか?」
Sドクター「『医院理念』なんて考えたことないな。診療メニューがしっかりしてて、治療技術があれば、それで充分じゃないの?」
後輩「意外とそうでもないんですよ。医院理念は、そこで働くスタッフにとって大きな指針になりますからね。僕も今の医院の採用面接を受けた時、院長先生が最初にしっかりと話してくれて、とても共感できたから勤めることにしたんですよ。理念がスタッフ全員にちゃんと浸透しているから、実際にその通り働いているし、みんな仲間意識が高いんですよ」
Sドクター「そういうものなのか……」
後輩「でも、医院理念を作っていなかったばっかりに、患者さんはたくさん来てるけどスタッフがすぐに辞めるっていう話、大きくて成功している医院ほどよくあるケースみたいです。医院理念を定めているメリットはまだありますよ」
Sドクター「なんだい?」
後輩「スタッフの採用情報にも掲載することで、結果的にいい人材が集まるんです。最初からある程度、コンセプトを理解してから応募してきてくれているから、面接での会話もスムーズに進むんですよ」
Sドクター「なるほど! その通りかもしれないね」
後輩「でもここでもっとも大切なのは、実行力!医院理念なんて、文字で読んだらどこも似たり寄ったりですけど、理念と現場のギャップが少なければ少ないほど、スタッフは辞めないってことです」
Sドクター「そんなに大切だったなんて思ってもみなかったよ! どうもありがとう」
これまで、治療技術さえちゃんとしていれば、『医院理念』なんて、それほど重要ではないと思っていたSドクターは、その大切さを改めて知り、早速考えてみることに。
辞めてしまったスタッフを補充すべく作った採用情報のウェブサイトにも掲載することができました。
すると、それを読んで応募してきてくれた応募者たちと話が弾み、採用もスムーズに進んだとのこと。
院長先生の頭の中にあるだけではダメ。明文化させ、スタッフ全員に浸透させることが大切です。Sドクターの医院にも根付くまでにはまだまだ時間がかかりそうですが、あるのとないのとでは大違い。
ここから新たなスタートを切ることができたそうです。